ライブレポ Awesome City Club「Awesome Talks -One Man Show 2019」@新木場スタジオコースト

Awesome Talks One Man Show 2019

「お洒落で都会的な心地よい音楽」。

そんなイメージで、今の彼らのライブを見たら面を食らうと思う。

お洒落だし洗練されているのはもちろんだが、それに加えて驚くほどに「情熱的かつパワフル」で自らの魂をオーディエンスに向かって全力でぶつけてくる。

「魂をぶつける」なんてACCには似合わない言葉なのかもしれないが、今の彼らにはちゃんと当てはまる言葉なのだと思う。

Awesome City Tracks」の完結からのベストアルバムの発売、事務所からの独立や2017年夏に訪れたatagi脱退の危機。そして初のEP「TORSO」と記念すべき1stフルアルバム「Catch The One」のリリース。

ACCが過ごした激動の2年間を得て、ついに辿り着いた新木場スタジオコーストでの「Awesome Talks -One Man Show 2019」ファイナルは、過去の自分たちを軽々と凌駕するような掛け値なしに圧倒的で素晴らしいライブだった。

5人の個性が爆発した渾身のライブパフォーマンス

ライブ序盤からいきなり2018年に生まれたACCを代表するナンバー『SUNNY GIRL』、atagi(Vo/Gt)のストレートな想いが爆発しているエールナンバー『ダンシングファイター』、ライブでは欠かせないデュエットソング『今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる』、ファンキーなディスコナンバー『アウトサイダー』と、終盤に持ってきてもおかしくないキラーチューンをエンジンフルスロットルで次々と畳みかけてきた。

atagiの声が珍しく上ずってしまう場面が見られるほど、序盤から気迫のこもったステージパフォーマンスを展開。このステージにかける強い意気込みが伝わってくる。

そういえば今夜のステージ上はACCの電飾がなく、凝ったステージ装飾もない、あるのは通常の照明とバンドセットのみというシンプルな構成だ。「自分たちの音楽で真っ向勝負したい」というオーサムのライブへかける強い姿勢が見える。

 

非常に印象的だったのはライブパフォーマンスに5人の個性が色濃く出ていた点だ。

PORIN(Vo/Syn)が磨きのかかったダンスと歌で妖艶なパフォーマンスを見せつけたかと思えば、atagiもソウルフルな歌でフロアを酔わせ、『what you want』ではPORINに負けずとも劣らないキレのあるポップダンスで会場を沸す。

マツザカタクミ(B/Syn/Rap)は『クリエイティブオールナイト』で久しぶりにPORINとクールなコンビネーションラップをかまし、モリシ―(Gt/Syn)はギターにシンセ、ベースと1人何役になるんだとツッコミたくなるくらい様々な楽器を駆使し、多彩かつハイクオリティなプレイでオーディエンスを魅了する。

ユキエ(Dr)は元気いっぱいのMCで会場を盛り上げながらライブを引っ張り、ドラムでは力強くも野性的なビートでACCにダイナミズムをもたらす。

ACCの良さについて以前インタビューでatagiは「5人のキャラクター」、PORINは「アベンジャーズ感。5人がスターでいること」と語っていたが、以前はどちらかというと良くも悪くも「Awesome City Club」というコンセプトの型からはみ出ないように、それぞれのエゴイズムを抑えている部分があったのではないかと思う。

しかし、ここ最近はPORINがブランドを立ち上げたり(この日のライブでも「yarden」と書かれた服を着ているお客さんを何人も見かけた)、モリシ―が他アーティストのライブにサポートメンバーとして参加するなど、個々で様々な活動を繰り広げていることからも分かる通り、今のACCはそれぞれが自分のスタイルを確立してきている。ライブでもそういう個の部分が明確に表現されていた。

 

強い個性が1つになり、圧倒的なエネルギーを解き放ったのがライブ中盤に披露された『Lesson』と『ASAYAKE』だ。

5人の強烈な存在感が見せつける美しいアンサンブルとド迫力のライブパフォーマンスに会場の熱気がグングンと上がっていくのが全身で感じ取れる。お客さんみんながハンズアップし、会場の中をはち切れんばかりに響き渡った『ASAYAKE』の大合唱は、今夜最大のハイライトだったといって過言ではないだろう。

正直『ASAYAKE』がこんなポテンシャルの秘めた楽曲だとは思わなかった。『Lesson』同様、今後ACCを背負っていく重要な1曲であることは間違いない。

 

このライブでは新たなチャレンジも積極的に行われた。

特に『クリエイティブオールナイト』に入るまでの流れの中で繰り広げられた、「歌詞がなかなか書けないマツザカとそれに突っ込みを入れるPORIN」の2人による寸劇にはビックリさせられた。

まさかの展開に会場の受け入れる姿勢が若干整っていないような空気感もあった(他のメンバー3人が笑いを堪えられずにいたのが暗闇の中でもわかった)が、緩い感じがアクセントになっていたし、とても面白い試みだったと思う。

もう1つのチャレンジはatagiのアコギ弾き語りセクションだ。

ライブ中盤に披露された『燃える星』。心にグッと来るatagiの情感溢れる歌にPORINの優しいハーモニーが重なり、カッティングを交えたギターストロークが切なく響く。atagiの後ろで照らす夕焼け色の光が「儚さ」をより際立たせ、胸が締め付けられそうになる。シンガーとして高い歌唱力と表現力を持つatagiだからこそ描けるウットリするほど幻想的なシーンだった。

ツアー中に作られた新曲もアンコール後に弾き語りで披露された。穏やかな夜を優しく包むこむようなメロウなサウンドが印象的な旅にまつわる楽曲だ。この曲がバンドセットになると、どのようなアレンジに昇華されるのだろうか。楽しみに音源化を待ちたいと思う。

 

「付いてきてくれますか!?」「まだまだ踊れますか!?」とatagiがオーディエンスに気合を注入し、もう一段ギアを上げた状態で終盤戦に突入。大音量のシンガロングが巻き起こった『涙の上海ナイト』、そして村上大輔、NAPPI、チャンケンというLUCKY TAPESではお馴染みのホーン隊(ラッキーホーンズ)をスペシャルゲストに招き、『君のグランデ』と『Don't Think, Feel』と立て続けにアッパーチューンをかまし、高い温度を保ったままフロアを熱狂し続けるACCとラッキーホーンズ。

オーディエンスはステージから放たれる華やかな音楽に身を任せて自由に踊り狂い、いつしかフロアは大きなうねりを上げ、会場全体が揺れている。それはACCのメンバーが驚くほど物凄い光景だった。

 

本編を締めくくる楽曲として選ばれたのは『Catch The One』。

今回の作品でプロデューサー的な役割を担ったatagiがメンバーへの想いを込めて作られた1stアルバムの核となる楽曲だ。

「全力で歌うので想いを受け取ってもらえたらと思います」とatagiが述べ、ACCはこの日最も熱い魂のこもった渾身の『Catch The One』を一人一人のお客さんへ解き放つ。

<世界中を超えて 君を連れて行くから 見たこともない夢を掴むのさ ユートピア>

「ここではない、誰も見たことのない景色へみんなを連れて行く」。

ACCから内なる情熱に燃え上がった固く強力な決意を感じ、心が震え涙があふれた。彼らのライブでこんな気持ちになったのは初めての経験だった。

今のオーサムは心身ともに充実感にあふれているのだろう。終演後に見せたメンバーの満面の笑みはそれを表しているように思えた。

 

何度も言うが、今持っているポテンシャルが最大限に発揮された素晴らしいライブだった。圧巻の一言に尽きる。

紆余曲折へ経ながら自分たちにとって最も大事な「核」を見つけ出し、一回りも二回りもスケールアップした彼らが見せたパフォーマンスは、観る者たちの心臓を鷲掴みにするほどのパワーに溢れていた。この2年間がACCにとって重要な転換期であったと言って間違いない。

ネクストステージに突入した新生Awesome City Clubは、毎年恒例の自主企画「Awesome Talks -Vol.10」を2019年8月に開催すると発表。

大きな目標である2020年のカルチャーフェスへ向けて、ACCはここからもギアを緩めることなく快進撃を見せてくれることだろう。

Awesome Talks -One Man Show」@新木場スタジオコースト セットリスト

1.SUNNY GIRL

2.ダンシングファイター

3.今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる

4.アウトサイダー

5.8月のモラトリー

6.Into The Sound

7.4月のマーチ

8.what you want

9.クリエイティブオールナイト

10.燃える星

11.台湾ロマンス

12.ワンシーン

13.Lesson

14.愛とからさわぎ

15.ASAYAKE

16.涙の上海ナイト

17.君はグランデ

18.Don't Think,Feel

19.Catch The One

アンコール

20.新曲(atagi 弾き語り)

21.GOLD

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星野源に感染した東京ドームでの夜

星野源  東京ドーム POPVIRUS ライブ ツアー

星野源のドームライブに行ってきました。

音楽の素晴らしさを「自然体」で表現し続けた3時間

源と過ごした東京ドームでの夢のひと時。3時間もの大ボリュームライブだったのに全然そんな感覚がない。「楽しいと時間を忘れてしまう」と言うが、それは本当なのだと思う。

日本の男性ソロアーティストで史上5人目となる5大ドームツアー。今や日本を代表するアーティストになった星野源。「大好きな人が遠くに行っちゃったみたいで悲しい」。これだけ人気になると、普通ならそんな気分になる。だけど源ちゃんは違う。

凄い人なのに、凄い事をやってる人なのに、良い意味で全然そんなオーラを感じさせない。そこにいたのは音楽が大好きで、人懐っこくて、周りを笑顔にしてくれる星野源という少年だった。彼の振る舞いが感染し、自分も少年のように3時間はしゃぎまくった。

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江沼郁弥「LIVE #1」を最前列で見て感じたこと

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2019年1月23日、渋谷WWWXで行われた江沼郁弥ワンマンツアー「LIVE #1」に行ってきました。

とんでもない緊張に襲われたライブ序盤

整理番号5番。その数字をコンビニの前でじっと見続けていた。整理番号が1桁は生まれて初めて。そして江沼郁弥がソロになって初めてのワンマンツアーで奇跡の5番。こんな経験は二度とないかもしれないから、迷い迷ったけどステージの最前列で見ることにした。

ライブが始まる前の1時間は正直苦痛でしかなかった。plentyの時もそうだったけど、まず女性のファンが圧倒的に多い。出来る限り前で、そして誰にも邪魔されず江沼さんを見たい人は多いはずだ。だからデカい奴が前にいると、ハッキリ言って邪魔者なんだと思う(あくまで私の勝手な想像です)。最前なんてもってのほかだ。

そのデカい奴が最前に来てしまった。後ろの人達にとって見れば凄く迷惑だったと思う。いつもは後ろの方や端っこで見るのだけど、今回ばかりは滅多にない機会なので、申し訳なさを抱えながら前に行かせてもらった。

前に来てみたものの、申し訳ない気持ちが時間が経つにつれ大きくなり心が折れそうになる。

いよいよ開演時間。バーに肘をかけて、なるべく後ろの人の邪魔にならないよう身体を屈めて小さくなる。これなら大丈夫だろうか。

江沼とサポートメンバーである「木(Key:オヤイヅカナル Dr:ナイーブ)」の2人が登場。1stアルバム『#1』と同じように『soul』からライブは始まった。パイプオルガンのような厳かな音色が江沼のギターから放たれる。一瞬で空気が変わった。同時に気が引き締まるような緊張感が襲ってくる。

江沼のライブは崇高で繊細なアート作品

どんな事があっても観客の邪魔することは許されない

・視界的に後ろの人の邪魔になってるんじゃないか

・江沼さんと目が合ったら気分を害させてしまうかもしれない

・小さくなったせいで変な姿勢になってるんじゃないだろうか

脳内でこんな構図が出来上がっていたから物凄く大きな不安が押し寄せてきて、私はとにかく他の人の迷惑にならないように自分の存在を消そうと必死だった。だから最初の20分くらいは50%くらいの気持ちでしか楽しめなかった気がする。

色んな不安と緊張下にいた私の心を1つずつ解きほぐしてくれたのは江沼と木が奏でる音楽だった。3人の音楽が1つずつ私の心を解きほぐしてくれたおかげで、徐々に緊張が和らいでいった。ただ、思い込みの部分を差し引いても、最前列には後ろではなかなか感じられない独特の空気感が確かに存在していた。最前列だからこそ感じられる貴重な体験だった。

江沼郁弥がライブで歌う意味を体現したWWWXでの一夜

ライブは本当に素晴らしかった。1つの映画を見てるように自分の中で様々なストーリーが駆け巡り、あっという間に時が流れた。

去年9月に行われたライブと比べてバンドサウンドの成熟度は増しているし、アレンジも凄く良かった。演奏の自由度が高く、ナイーブさんのドラミングは躍動感があり、メロディを奏でる江沼さんとオヤイヅさんのアレンジも多彩で、3人がその場の空気に委ねて演奏している感じがして、ライブという生き物を楽しんでるようだった。

同じ曲でも日によって音が色んな方向へ生き生きと跳ねていく。どこへ飛んでいくのか分からないワクワク感とその場でしか出会えない奇跡的な光景があるからこそライブは楽しいし面白い。こういうライブは何度も行きたくなる。どこまでも見続けたくなる。ライブの醍醐味を3人は体現し続けていた。

個人的なハイライトは4曲。

まずは名曲『クオリア』。音源ではピアノが強めに出ている印象の楽曲だが、ライブではアコースティックギターがより強調されている音像でまた違った味が醸し出されていた。江沼が鳴らすアコギのストロークが絶妙とも言えるほど心地よいリズムと優しい音色で、しなやかで透き通った歌声がより映えている。生の歌声は音源以上に輪郭がくっきり浮かび上がってくるみたいで心へ真っすぐに突き刺さってくる。

なんだかplentyが最後に出演したラブシャで見た『ひとつ、さよなら』と重なって見えた。儚くて寂しいのに眩しいほどに美しい。あの忘れもしないシーンに一気にタイムスリップしたみたいで、感傷的な気持ちでいっぱいになった。

『black swan theory』も素晴らしく良かった。ライブで聴いて欲しい曲1位にしたいほど。空虚な想いを抱えて闇の中をさまよう序盤から、江沼のファルセットを合図に白鳥が華麗に飛び立つような音像がステージを駆け巡る。それはまさに白鳥のように美しく、雄大でドラマティックな光景。江沼に導かれるようにフロアは神聖な空気感が漂い、体内が浄化されていくような感覚を覚えた。

この日最も興奮したシーンは『neoromantic』で訪れる。ステージ上では圧倒的なグルーヴが生まれ、興奮がおさまらない。体内のボルテージが右肩上がりで上昇し続け、全身の細胞が喜ぶように飛び跳ねている。この感覚が堪らなく気持ち良い。この曲で特に光り輝いていたのはナイーブさんのドラミング。イントロからエッジが効いていたし、電子ドラムで構成される音源とは違い、アコースティックドラムを混ぜながら叩いてるから音に厚みがあって、もの凄い迫力。3人全体のアレンジもダイナミックで鮮やか。理屈を捨てて音楽を楽しんでいる3人の演奏がこちらまで伝染してきて心を音楽に委ねて夢中で踊った。

そして最後はこの日最も楽しみにしていた『光源』。期待していた通り、いや、期待を遥か高く超える光景だった。バックライトに照らされ、江沼のシルエットだけが浮かび上がる。そこから放たれる声は力強く揺るぎない。そして掛け値なしに美しく尊い。圧倒的。全身に鳥肌が立ち、物凄く巨大な何かが心を揺さぶっている。こんなにも近くにいるのに、遠くて深くて大きい。そして眩しいほどの光を放ち、僕を優しく照らし続ける。それだけで何だか救われた気持ちになる。

この人を追いかけ続けたい。この人のようになりたい。そういう思いが自分の中でより強くなった。

「暗闇だって 悲しくたって 足掻き続けて」

どんな困難にぶち当たろうと、誰かを照らせるような人になるまで抗って逞しく生きていこうと心に誓った。今日目にした光景は間違いなく一生忘れないだろう。

1時間半にわたるライブ。江沼がラップを繰り出すヒップホップソングや怒り昇華させた狂気にも似たトランス感のある新曲を含めて本当にジャンルレスと言えるほど音楽の幅が広く、この人の作り出す音楽はたぶん宇宙のように無限大に広がっているのだと思う。そしてどの曲も刺激的で感性をくすぐらせる。「もっと深くまで彼の音楽を知りたい」という気持ちは今まで以上に強くなった。ただ新しい音が聴きたいんじゃない。江沼のフィルターにかかった音楽を覗いてみたいのだ。

江沼は時折笑顔を浮かべ、ほどよい緊張感の中で終始リラックスしてる様子だった。去り際の表情を見ても、今はやりたい事がやれている充実感に満ちているように思えた。ステージ上での振る舞いも控えめ(MCも3言くらいしか喋ってない)だし、フィジカル的に激しい動きを見せるわけではないのに、彼がステージに立つとビックリするほど強くて大きて圧倒的な存在に見える。それだけバイタリティがみなぎっている証なのだろう。

去年9月に行われたワンマンライブは久しぶりの緊張感と触れるもの全てが新しい音楽ということもあり、自分の中で整理がつかない部分が多かったが、今回はじっくりと1つ1つの楽曲を味わいながらライブを鑑賞する事が出来た。そして心の中で確信に満ちた感情が芽生える。やはり江沼のライブは感情も感性も刺激される素晴らしいアート作品なのだと。

翌日のツアーファイナルで3カ月連続シングルリリースと東阪でのZeppワンマンライブ「つくり笑いの合併症」の開催が発表された。ライブタイトルにドキドキするし、着席スタイルでのZeppライブという試みも凄く面白い。3カ月連続でリリースされる楽曲をじっくり味わいながら、6月のワンマンライブを楽しみに待ちたいと思う。

最前列だからこそ経験できること

最後に最前列だからこその体験をたくさんしたので、ここに記しておきたい。最前で感じた良さは2つある。

1つ目は「アーティストとの距離の近さ」だ。本当に近い。表情や全身の動きが良く見える。アーティスト本人だけでなく、ステージの機材などもそうだ。間近にいる江沼さんはいつも以上に神々しかった。

2つ目は「空気感や臨場感の凄さ」。ステージには緊張や充実感など様々な感情が入り混じった独特の空気感が存在する。それを直に味わえるのが最前列だ。アーティストのテンションやそこで生まれるグルーヴがストレートに伝わってきて、まるで自分もステージの上にいるかのような感覚を覚える。また、最前は臨場感も凄い。音だけでなく振動も一緒に伝わってくるので、音の感じ方が後ろにいる時とはだいぶ違う印象を受けた。

ステージとの距離がかなり近いため、ステージ全体を見渡したい人には向いてないし、音の良さはフロアの中央が良い(音質だけでなく、電子ドラムを叩く時に電子音だけでなく物理的な音も一緒に聞こえてしまうといったデメリットもある)と思うが、最前でしか味わえない良さもたくさんあるのだとよく分かった。苦しさもあったけど、とても貴重な経験だった。

2017年の年間ベストアルバムトップ10

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2018年になりました。今年もよろしくお願いします。かなり遅くなりましたが、2017年のベストアルバムを発表したいと思います。どれもたくさんの人に聴いてほしい素晴らしい作品です。 

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ライブレポ 米津玄師 2018LIVE「Fogbound」@日本武道館1日目

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2017年11月1日の大阪公演から始まったツアー「Fogbound」は12月24日の広島公演まで全国20公演を行い、2018年1月9日に追加公演となる日本武道館2daysの初日を迎えた。

個人的には2018年1発目のライブ。武道館は2017年1月に行われたASIAN KUNG-FU GENERATIONの結成20周年ライブ以来で、その時も年が明けてから最初のライブだった。武道館から始まる1年とは何とも贅沢なことだろうか。それも2年連続なのだから本当に幸せ者だと思う。

米津のライブを見るのはこれが3度目。1度目は2016年のツアー「音楽隊」でのライブ、2度目は去年夏に開催された東京国際フォーラム2days、そして今回の武道館である。

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Shiggy Jr. 「High 5 Aniversary」@恵比寿リキッドルーム

2017年12月5日をもって、ShiggyJr.は結成から丸5年を迎えた。結成記念日となるこの日、Shiggy Jr.5周年を祝うワンマンライブ「High 5 Aniversary」が恵比寿リキッドルームにて開催された。普段、なかなか見ることの出来ないシーンが盛りだくさんの5周年を祝うにふさわしい貴重な一夜になった。

初めてシギジュニのライブレポを書いたのが2015年5月に行われたビバラロックフェスでのステージだった。

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あれから2年半以上も月日が経ったと知り、時の流れの速さというものに驚きを隠せない。

池田智子(Vo)と原田茂幸(Gt)がShiggy Jrを結成してから5年、森夏彦(B)と諸石和馬(Dr)が途中加入し、4人体制になってから3年10か月。4人はここに至るまでの道のりをがむしゃらに走り続けてきた。メンバーの脱退や4人体制での再スタート、記念すべきメジャーデビュー、事務所の移籍、1st FullAlbum「ALL ABOUT POP」リリースなど、紆余曲折を経て今日までやってきた。5年間は決して平坦な道のりではなかったと思うが、それでも彼らは現状に満足することなく、メンバーそれぞれがひたむきに努力して常に進化を遂げてきた。

5周年を記念した「High 5 Aniversary」は、この5年の間に蓄えてきた成長の証を存分に見せつける素晴らしいライブだった。

何より今まで以上に驚かされたのは、4人のチームワークがより強固なものに進化していたことだった。4人の絆が固く強く結ばれていることは、ライブやSNSなどを通してこれまでの活動を見てきた私自身も既に分かっていた事だけど、想像以上にその絆は深まっていると今回のライブで強く実感した。曲ごとに、曲のパートごとに流れるようなタイミングでそれぞれが先頭に立って演奏をリードし、まさにあうんの呼吸でステージ上のリーダーが次々に入れ替わりライブを引っ張っていく。その様子は先日スピートスケートの女子団体追い抜きで世界新記録を樹立した日本選手のチームワークと重なってみえた。

驚くべき点はまだある。チーム全員が無尽蔵なスタミナを誇るハードワーカーであることだ。演奏自体はもちろんのこと、池田、原田、森の3人は常にステージを縦横無尽に動いていたし、ドラムの諸石も立ち上がってオーディエンスにクラップを求めたり、皆が演奏以外でも献身的な働きをしていた。また、メンバー全員が各パートでそれぞれメインMCを担って会場のイニシアチブを握るシーンもあったし、『恋したらベイベー』や『誘惑のパーティー』ではキレのあるダンスを披露していた。ライブ開始から終演までスタミナを切らすことなく全力疾走でステージ上を躍動する姿には感動したし、個人的に大きな刺激を受けた。今のサッカー日本代表の中盤にこんな選手たちがいたらと、余計なことまで考えてしまう。

これまでのライブでは終盤にやることの多かった『Suturday Night to Sunday morning』から幕を開けたライブ。序盤は『恋したらベイベー』や『Key of life』などシギジュニが誇る王道ポップソングで会場を沸かせたと思えば、中盤では『daytrip』や『baby I love you』『二人だけのストーリー』といったもう一つの強みというべき、ウットリするほど美しいメロウなナンバーでオーディエンスを酔わせる。終盤に来ると、『oyasumi』でシギジュニらしからぬロックサウンドを爆発させ、『GOHST PARTY』でエレクトロポップなダンスミュージックを披露。1つのバンドでこれだけ目まぐるしくシチュエーションが変化するライブはなかなか目にしないし、セットリストを見れば、いかにメンバーそれぞれが様々な武器を会得し、バラエティ豊かな楽曲群を制作してきたかがよく分かる。今回披露した色っぽいサウンドが印象的な新曲『朝、目が覚めたら』では初めて原田茂幸がメインボーカルを務めており、これもまたシギジュニの新たな武器になること間違いないだろう。

もちろんバンドとしてのテクニカルな部分も大幅にアップグレードされていて、1曲1曲のストーリーがより味わい深く、鮮明に描かれていた。今回のライブで披露したもう一つの新曲『looking for you』はその証明ともいえる1曲だ。池田がキーボードを弾きながら歌い上げる壮大なバラードナンバーは、シギジュニ史上最高傑作の1つに入る作品といって間違いない。情感あふれる池田の美声と4人が魅せた圧巻のアンサンブルに鳥肌が立ちっぱなしで、なかなか放心状態が収まらなかった。池田の歌唱力は歌うたびに信じられないほどのスピードで進化を遂げていて、今後どんなヴォーカルストになるのか予想がつかない。

この日のライブでは久しぶりにカバー曲(そのカバー曲がシュガーベイブの『ダウンタウン』という何とも堪らない選曲だった)が披露されたり、そのカバー曲では各パートでメンバー全員がそれぞれメインボーカルを務めるという珍しい構成でファンを湧かせたり、2つの新曲を披露するなど、始まりに池田が「今日しかない特別なライブに」と宣言した通り、私達ファンにとってはまさにスペシャル感満載な一夜だった。

恵比寿リキッドルームで4人は6年目のスタートを幸先よく切っていった。そして休む間もなく2018年2月からは、6都市9公演を巡る春・夏二本立てのワンマンツアーがスタートする。リキッドルームで魅せたパフォーマンスからすれば、きっと素晴らしいライブツアーになることは間違いないだろう。とにかく早く彼らのライブが見たくて、もう既にワクワクしている。春と夏で公演内容が変わるツアーという意味では、Shiggy Jr.にとってまた新たな挑戦の1年になるといえるだろう。困難な壁にぶち当たることもあるかもしれない。しかし、それを乗り越える力が今の4人には十分あると確信している。ここまでの道のりを見てきた者は誰もがそう思っているだろう。春夏ツアーを通して彼らが一体どんな飛躍を遂げていくのか。来年のツアーを想像すると、今から楽しみで仕方ない。

 

Shiggy Jr. 「High 5 Aniversary」@恵比寿リキッドルーム セットリスト

1.Saturday night to Sunday morning

2.恋したらベイベー

3.誘惑のパーティー

4.key of life

5.day trip

6.baby I love you

7.二人のストーリー

8.DOWN TOWN(シュガー・ベイブ カバー)

9.朝、目が覚めたら(新曲)

10.looking  for you (新曲)

11.僕は雨のなか

12.Juuuump!!

13.oyasumi

14.GHOST PARTY

15.LISTEN TO THE MUSIC

16.サンキュー

アンコール

17.約束

18.サマータイムラブ 

 

ライブレポ plenty ラストライブ「拝啓。皆さま」@日比谷野外大音楽堂(野音)

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2017年9月16日土曜日。ラストライブを発表してから早5か月。その間にplentyは全国12か所に及ぶラストツアーと2か所のフェス出演を経て、ついにこの日を迎えた。そんなに周っていたのかと驚くほどあっという間に時は経ち、時間という流れの速さに痛いほど気付かされる。

16日の東京は台風接近の影響で、降水確率100%の雨予報。しかし、開演時間が来るまで少しパラパラと落ちる程度で雨はほとんど降って来なかった。これさえもplentyの力なのだろうか。リハ中は雨が降ってたんだからそうとしか考えられない。

18時。開演時間になると、涙が溢れ出るみたいに空から雨がぽたぽたと落ちてきた。

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