Awesome City Club 「Awesome Talks -vol.2-」 @渋谷WWW

2ndAL再現ライブで魅せたACCの上質な音楽表現力

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今回のライブは「2ndアルバム再現ライブ」というコンセプトに基づいて行われた。

9月16日にリリースされる『Awesome City Tracks 2』から曲順通りに披露するという斬新な企画である。つまり、ほとんどの人が初めて聴く曲ばかりという事で、バンドにとってみれば大きなチャレンジだったと思う。

結果から見れば「さすが」の一言。ミュージシャンとしてのクオリティの高さが存分に示されたパフォーマンスだった。

彼らの魅力でもあるチームワーク抜群の演奏がこの日も存分に輝きを放つ。パフォーマンスから互いの目を見合わなくても心が通じ合っているように見える。今回のライブを通して、彼らの生み出す一体感はより強固なものになっていると感じた。こういうものは、作品を苦労して作り上げる過程の中で生まれてくるものなのだろう。

マツザカタクミ(B/Syn/Rap)とPORIN(Vo/Syn)が見せるコンビネーション抜群のラップやモリシー(Gt/Syn)の味わい深いピアノ、atagi(Vo/Gt)が放つ心にスッと入り込んでくる美しい歌声、ユキエ(Dr)のリズミカルなドラムなど、それぞれのメンバーが見せる非常に豊かな表現力がオーディエンスを魅了する。そして、彼らにしか生み出せない厚みのあるメロディが観客の心を躍らせる。

 

特にアンコールで披露されたファンにとってはお馴染みの2曲、『4月のマーチ』と『涙の上海ナイト』が素晴らしかった。5月のビバラで見た時より曲が成熟していて、音源で聴く以上に大きなエネルギーを感じた。笑顔を絶やさず楽しんで演奏する5人の姿は何度見てもこのバンドの魅力だなーと思う。それに触発されるように、観客も音を楽しみながら思い向くまま体を揺らす。

ACCが生み出す独特のグルーヴ。それはこのバンドでしか生み出せない魔法みたいなものだ。 

 

来月発売されるアルバムの再現ライブだったという事で、作品についても触れよう。

『Awesome City Tracks 2』は1つの作品として、素晴らしいアルバムになっていると感じた。『アウトサイダー』のような思わずステップを踏み出したくなるダンサンブルなポップチューンはもちろんのこと、マツザカタクミのラップが印象的な『WAHAHA』やモリシーの心に響くピアノサウンドが印象的な『僕らはここでお別れさ』といったように前回の良さを維持しつつ、1stアルバムにない新たな要素もたくさん入っていて1作目よりバラエティに富んでいる印象を受けた。また始まりの『GOLD』からラストの『Lullaby for TOKYO CITY』まで流れがあり、「アルバムを通して聴く」ことでより価値が生まれる作品なのだと感じた。

元々音楽的な幅が広いイメージを持っていたが、イメージ以上に多彩な武器を持ったバンドだと思い知らされた。

 

ライブの中で一番印象的だった曲が何かと言われれば、迷わず『Lullaby For TOKYO CITY』を挙げる。この曲、超がつくほどの名曲です。もう初めの部分で「これはやばいヤツ来たな」って感じた。繊細なサウンドが織りなす壮大かつドラマティックなスローナンバーとなっていて、まさにアルバムの最後を飾るのにふさわしい1曲。もう一度言わせてください。名曲です。

 

また、『Lullaby For TOKYO CITY』を歌った時の演出も素晴らしかった。曲の中盤までメンバーの頭上にある5枚のパネルビジョンに、それぞれ異なった夜の東京が映し出され、終盤に差し掛かった所でステージ奥のカーテンが開き、大きなスクリーンが登場。5枚のパネルもスクリーンに映された映像の一部へと変化。この演出にフジテレビ系列で放送されていた『僕らの音楽』を思い出した。なぜならあの番組もクライマックスを迎える大サビの瞬間に巨大なカーテンが開き、窓から東京タワーが見えるといった演出をよくやっていたから。

東京の街を映した巨大なスクリーンは最後に、ライブが行われた渋谷の街へとたどり着く。なんとも感動的な演出に、「わぁー。。」と心の中でつぶやく自分がいた。

 

また、今回の『Awesome Talks -vo.2-』にはACC以外にgroup_inou、GREAT3、サイトウ"JxJx"ジュン(DJ)というアーティストが参加。彼らのアクトが素晴らしかった点も付け加えておかなければいけない。ツイートでも述べたが、この豪華なラインナップで3000円程度のチケット代は正直安すぎると感じた。そう思わずにはいられないほど、クオリティが高いパフォーマンスでオーディエンスを圧倒していた。

 

ACCは常に新しいチャレンジをしてくるバンドで、私はそのたびにいつも驚かされる。今回の再現ライブもそうだし、SNSを活用したライブやクラウドファンディング企画もそう。新しいことに挑戦するのはとても勇気がいることだと思う。失敗の可能性だって当然あるのだから。失敗のリスクを負ってまで、新たなチャレンジに臨む前向きな姿勢はものすごく格好良いし、メンバーの「リスナーに楽しんでもらおう」という熱い意気込みが伝わってくる。そんな所に強く惹かれるファンも多いことだろう。 

 

『Awesome City Tracks 2』が聴きごたえのある素晴らしい作品になっていることは間違いない。メンバーも相当自信を持って仕上げた作品だと思う。

YouTubeにもアップされているクラウドファンディングシングル『アウトサイダー』と来場者限定で配布されたバーチャル7inchシングル『Pray』を聴きながら、9月16日の発売を楽しみに待ちたいと思う。

 

Awesome City Club 「Awesome Talks -vo.2-」@渋谷WWW セットリスト

1.GOLD

2.what you want

3.WAHAHA

4.僕らはここでお別れさ

5.愛ゆえに深度深い

6.アウトサイダー

7.Lullaby For TOKYO CITY

 

アンコール

8.4月のマーチ

9.涙の上海ナイト