ライブレポ LILI LIMITワンマンツアー「Good Bye Velvet」@代官山UNIT

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LILI LIMITが初めて開催したワンマンツアー「Good Bye Velvet」。全国5箇所を周ったツアーは12月9日代官山unitでファイナルを迎えた。チケットはソールドアウト。彼らのライブはフェスやインストアライブでしか見たことがなく、ライブハウスで見るのは初めて。楽しみで仕方無かった今日この日をようやく迎えた。

「ライブは音源を聴くのとまた違った良さがある」。そんな話を私はよく耳にする。確かにそう思う。生で体感する音楽にはそこでしか味わえない特別な感覚がある。しかし、それを十分に感じれるかどうかはアーティストの裁量にかかっている部分が大きい。

この日のLILI LIMITはまさしくそこでしか体感できない音楽を奏でていた。そして、あの場所にいなければ気付けない素晴らしい発見もあった。これだからライブは面白いし、最高なんだ。

 

『A Short Film』から始まったライブはド頭から5人が完成度の高いパフォーマンスを魅せつけ、一気にフロアを制圧する。まさに「気合は十分」。LILI LIMITの勢いに背中を押されるようにして、オーディエンスは夢中で手を挙げたり体を揺らすなど身体と音楽をシンクロさせる。彼らの奏でるシンセポップに導かれ、私は音楽の楽園を満喫する。

いきなり気合の入った演奏をかまし、度肝を抜かれた。牧野純平(Vo/Gt)、土器大洋(Gt/Syn)、黒瀬莉世(B)、志水美日(Key)、丸谷誠治(Dr)の5人が全身をフルに使って音にぶつかっていく。その音たちが会場を埋め尽くす1人1人の音楽魂を次々に覚醒させる。

 

ライブ冒頭では『kitchen』や『h.e.w.』『Unit Bath』『Observe』といった新旧織り交ぜたナンバーを披露。牧野は1つ1つの言葉に想いを馳せながら、体全身を使って曲の中のストーリーを表現する。時には誰かに言葉を投げかけるように歌い、時には曲に込めた想いを体で表現する。まるで1曲ごとにショートムービーを見ているような感覚だ。

このムービーはもちろん牧野だけで完成しない。5人の奏でる奥行きのある音塊があって初めて成立だ。綿密に練られて構築されたサウンドに5人の魂が吹き込まれ、曲の情景を鮮明に浮かび上がらせる。生き生きとした音がフロア中に鳴り響く。

 

ライブ中盤で魅せた『N_tower』は凄まじいパフォーマンスだった。特にアウトロ部分。5人は理性なんか投げ捨てて感情のゆくままに音楽を響かせる。1人1人がゾーンに入っているかのように。熱量の高い圧倒的な演奏はUNITを興奮の渦に巻き込む。

卓越したバンドアンサンブルはLILILIMITライブ見所の1つ。楽曲自体の完成度は言わずもがなだけど、生で聴く演奏も非常に緻密で美しい。聴いていてこれだけ気持ちよく感じられる音楽はなかなか出会えない。音がすごく楽しい。

 

リリリミットの音楽に乗せられて、オーディエンスは思い思いに体を動かす。『On The Knees』ではリズミカルなハンドクラップを鳴らし、『Neigborhood』では牧野の要望に従って「ラジオスター」のフレーズを一緒に歌いながらハンズアップ。個人的に大好きな1曲『Neighborhood』が聴けて興奮が収まらない。

土器や黒瀬が手拍子を要求してお客さんを煽るなど、彼らはフロアのテンションを高めていくことも忘れない。

 

この日のライブで一番印象的だった曲がドロップされる。『A Few Incisive Mornings』だ。牧野が故郷である山口の人々を想って作ったという1曲。

清らかに流れるようなサウンドと牧野の優しい歌声。美しい旋律にはどこか「悲しさ」や「寂しさ」が孕んでいて心が締め付けられそうになる。それなのになんとなく温かさも感じる。不思議な感覚に浸りながら、私は彼らの演奏にじっくりと耳に傾ける。様々な想いが脳裏を巡って熱いものが自然とこみ上げてきた。

たとえ故郷を離れて何年経とうが、そこで過ごした日々が風化することはない。そこで築いてきた物を胸に僕らは今日を生きている。だからこそ故郷はどんな人にとっても大事な場所なのだと思う。

家に帰ってからこの曲を何回も聴き直した。ライブ前に聴いた時に比べて、曲がより味わい深くなってる気がした。生の演奏を観て曲の素晴らしさに気付く。これもライブの醍醐味だと思う。

 

気付けばライブは終盤に突入。LILI LIMITはギアをさらに1段階、いや2段階上げてラストスパートをかける。

「この曲がみんなにとってのリビングルームになりますように」という牧野の言葉と共に、まずは記念すべきメジャー1stEP『Living Room』がドロップされる。リリリミットの誇るアンセムが流れ始めると、「待ってました」と言わんばかりにフロアのボルテージもヒートアップ。超満員のお客さんが手を挙げる光景は眩いばかりに美しい。観客の声援に応えて、土器がギターソロを魅せつける。マジかっこいい。

 

余韻残る中、黒瀬は手拍子を要求。手拍子に合わせるかのようにベースソロが始まる。黒瀬と丸谷がリズミカルなビートを刻み、そこへ志水と土器が奏でるメロディが重なる。巧みなバンドアンサンブルから始まったのは『Girl like Chagall』だ。4人が奏でるグルーヴィーなサウンドに乗って牧野が華麗にステージを舞う。「アニュマニデイズ」と呪文のようなフレーズに合わせ、オーディエンスが大きく手をうねらす。私はこの空間に身を任せて音楽の快楽に溺れる。

 

本編ラスト曲は『Self Portrait』が披露された。ゴールまで全力で駆け抜けるがごとく、5人は曲が終わるまでエモーショナルなバンドサウンドを夢中で鳴らし続ける。牧野と土器が丸谷の所に集まり、男3人が全力で音楽をかき鳴らす。そんな彼らのパワフルなパフォーマンスに呼応して、僕らは全身で会場に響き渡るリリリミットの音楽を浴びまくる。この一体感がなんともたまらない。会場は溢れんばかりの拍手が沸き起こる中、本編のショーは幕を閉じた。

 

アンコールのMCでは、牧野と土器がファンへ今年1年の感謝と来年に向けたメッセージを述べた。この場面だけでなくそれ以外でも、牧野や土器、黒瀬はMCで何度も今日来てくれたファンへ感謝の言葉を口にしていた。何度も何度もだ。

直接伝えることは出来ないけれど、私も心の中で素晴らしい音楽とライブに対する「ありがとう」の気持ちを5人へ送った。

アンコール1曲目に披露された『Suite Room』もそうだが、ライブを通して彼らの音楽に感情を凄く揺さぶられた。正直LILI LIMITがこんなエモいバンドだとは思っていなかった。新たな発見に出会い、彼らをまたより好きになった。

牧野が「愛と希望を込めて」とファンへ言葉を送り、最後の1曲『Festa』がドロップされた。来たる2017年の到来を待ちわびるような歓喜の歌が会場に延々と鳴り響く。いつまでもどこまでも続けばいいのにと思った。大歓声と大興奮の渦に包まれる中、ツアーファイナルが終了。

 

「やっぱライブはいいなあ、、」。そんな言葉がピタリとはまる素晴らしい一夜だった。

LILI LIMIT ワンマンツアー「Good Bye Velvet」@代官山UNIT セットリスト

1.A Short Film

2.Wink,Blink

3.Kitchen

4.h.e.w.

5.Unit Bath

6.Observe

7.N_tower

8.On The Knees

9.Neiborhood

10.Space R

11.Space L

12.A Few Incisive Mornings

13.Naked

14.Living Room

15.Girls like Chagall

16.Self Portrait

アンコール

17.Suite Room

18.Festa